早起きを始めた最初のうちは眠くてつらいはずだが、時差ボケでも2週間たてばだいたい慣れるのだから、2週間くらいの余裕を見ておけばほぼ大丈夫だろう。2週間前になったら、朝型に変えるために、なるべく6時に起こすようにしよう。ただし、いきなり早く起こすと、当初数日間は勉強の能率が大きく下がる心配がある。直前期の一番能率の上がる時期に時差ボケ状態にしてしまうのは時間がもったいないと思う人もいるだろう。そこで、もう一つの方法として、戦術的に5分ずつ早く起こしていくという手がある。親がよほど熱心でないとできないことだが、試験の1ヵ月前くらいから5分ずつ早く起こしていくのだ。そうすれば、試験日のころには6時くらいに起きることができるようになる。少しずつ早く起こしていくので眠さもあまり感じないだろうし、勉強の能率もあまり落ちないから、これも有効な手段だ。
ときどき「中学受験は本人の希望で始めたのにまったく行動が伴わない」となげく保護者に出会いますが、「三日以上先の将来に責任をもて」と小学生に要求するほうが無理なのです。とにかく「子供に自己管理能力はない。だから勉強は親が管理する!」と思いましょう。具体的には膨大な受験勉強を「今日、明日、明後日でやること」ぐらいに区切って子供に示し、これを管理することが親の役割です。問題集一冊を一人で終えられる子供は少ないですが、「毎日二ページずつ勉強しましょう」といえばほとんどの子供は実行できます。膨大な受験勉強を短期計画に落としこむ作業には大きなストレスが伴います。「毎日一ページではまにあわない」「毎日三ページでは無理が生じる」「来月はテストが続くので今月はがんばらないと」……こんなことを考えるだけで疲れてしまいます。また計画どおり子供に勉強させるのも非常な忍耐を要する仕事で、多くの親は始める前から疲労感を覚えるはずです。しかし、これを子供に丸投げすることはできません。どんなに面倒でストレスがたまっても、計画策定と学習管理は親がになう役割と覚悟を決めてください。これが親と子供の摩擦や軋轢を回避する第一歩になります。
大学で最低限、勉強してほしいことは、おもに三つあると思います。一つ目は、レポート作成能力です。これは会社に入って文書を作成するさいに求められる能力ですが、自己能力をアピールするうえで社会人に不可欠な素養です。大学で新たなことを学んだり、新たな本を読むたびに定型的な文章を作成したりすることで、トレーニングを積むことが必要でしょう。二つ目は、プレゼンテーション能力です。これは単に自己能力をアピールするためではなく、たとえばプロジェクトをまとめ、チームでリーダーシップを発揮するうえでも欠かせない資質です。これについても、まず型にはまったプレゼンテーションをトレーニングするのが、初期のトレーニングとしては有効でしょう。三つ目は、専門的な知識やノウハウを一定程度、身につけることです。これは得意分野における信頼性を獲得するうえできわめて有効であり、説得力を高める働きをします。せっかく大学に入ったのですから、上手に教官をつかまえて聞きだす必要があります。それ以前の問題として、基礎的な数学力や読み書き能力など、高校レベルの学力をきちんと身につけておかないと、大学できちんと学ぶべきことが学べないことを知っておきましょう。